逃げずに答えるべき「憲法を変えるのか、変えないのか」
高市政権が改憲への意欲を隠さない中で、野党第一党である中道改革連合が「我々は論憲だ」と言葉を濁し、明確な賛否の意見表明を避けることは、実質的に与党の改憲基調を追認することになるだろう。
もし仮に「当面は護憲」という立場を取るのであれば、それを堂々と主張すべきだ。自衛隊の合憲性や緊急事態条項など、具体的な論点において現行憲法でも対応可能であって、あるいは法改正で十分であるという論理構成は十分に可能なはずだし、それが「当面の護憲」という現実的な選択肢となり得るともいえる。
逆に、積極的に改憲を目指すのであれば、自民党案とは異なる対案を提示し、どちらの改憲案が国益に資するかを競うべきである。最も避けるべきは、そのどちらでもない「議論しましょう」という中途半端な態度のまま選挙戦に突入し、争点をぼやかしてしまうことではないか。
中道改革連合が「論憲」という言葉に逃げ込む背景には、党内の保守派とリベラル派の対立を表面化させたくないという党内融和の事情や、護憲一辺倒では保守層、無党派層の支持が得られないという選挙戦略上の計算があることは明らかだ。
また、最新の世論調査や社会情勢を見ても、国民の憲法に対する関心は、単なるイデオロギー的な「護憲・改憲」から、より生活に密着した具体的な統治機構のあり方や、安全保障環境の変化に対応した現実的な法整備へとシフトしている様子もうかがえる。
例えば、大規模災害時における国会議員の任期延長問題や、デジタル社会における人権保障のあり方など、憲法論議を含めてカバーすべき領域は広がっている。こうした個別の論点に対しても、「議論する」といった解像度の低い回答ではなく、具体的かつ個別具体的な「解」を国民は求めているのではないか。
「護憲か改憲か」という問いが古いと言うのであれば、それに代わる新しい、かつ鮮明な対立軸を自ら設定し、高市自民党やその他政党に論戦を挑むべきだ。
次期、参院選までの時間が限られているのは、与党も野党も同じだ。
憲法を変えるのか、変えないのか。変えるならどう変えるのか、変えないならなぜ変えないのか。
この単純だが本質的な問いに対し、逃げずに答えることこそが、政権交代可能な政党としての最低限の要件であり、ひいては日本の民主主義を機能させるための責務とさえいえるようにも思われる。
小川新代表と中道改革連合には、過去の経緯や党内事情といった内向きの論理を超えて、健全な憲法論議と、国民益に資する政治選択の実現のために奮起を求めたい。