信長が正しかった?次郎左衛門が隠し持っていた「つぶて打ち」という殺意
ドラマの終盤では、驚くべき二つの「真相」が明かされることになる。
一つは、無事に信長の説得に成功し、秀長が秀吉の待つ鵜沼城に次郎左衛門とともに向かっていたときのこと。川を渡るときに、次郎左衛門が水の中に石を落としたのを、秀長が見ていた。
実は次郎左衛門は、石を用いた攻撃「つぶて打ち」を息子に伝授するほど得意としていた。そう、いざというときには、信長をつぶて打ちで倒すべく、準備していたのである。
信長の猜疑心が際立ったが、乱世はそのくらい慎重さがなければ、生き残れない。そんなシビアさが巧みに表現されていた。
二つめの「真相」は、実は信長が次郎左衛門を討とうとしていたことを、秀吉は前田利家から事前に聞かされていたということ。その上で人質というリスクを受け入れたのである。
おちゃらけながらも、いざというときに豪胆ぶりを発揮する秀吉。今回の放送では、秀長ほどの見せ場はなかったものの、秀吉はやはりただものではないと思わせる展開となった。
ここから秀長のサポートを受けながら、秀吉は天下人へとどんどん這い上がっていく。そのプロセスを見るのが、楽しみである。
次回の第7話「決死の築城作戦」では、美濃攻めに乗り出した信長に対し、秀吉は墨俣城(すのまたじょう)の攻略を買って出た。秀長は尾張と美濃の国境を仕切る川並衆の協力をとりつけるべく、動き出す。
【参考文献】
『現代語訳 信長公記』(太田牛一著、中川太古訳、新人物文庫)
『多聞院日記索引』(杉山博編、角川書店)
『史料大成多聞院日記〈全5巻〉』(竹内理三編、臨川書店)
『図説 豊臣秀長 秀吉政権を支えた天下の柱石』(河内将芳著、戎光祥出版)
『豊臣秀長 シリーズ・織豊大名の研究』(柴裕之編、戎光祥出版)
『豊臣秀長のすべて』(新人物往来社編、新人物往来社)
『戦国最高のNo.2 豊臣秀長の人生と絆』(真山知幸著、日本能率協会マネジメントセンター)