専門家「核共有の変更が行われる具体的なリスクはある」
ドイツは核兵器を保有しないNATO欧州加盟国が自国内に米国の核兵器(航空機投下型B61重力爆弾)を配備し、有事の際は自国の航空機で運搬・投下する核共有の枠組みに参加。ドイツ、イタリア、ベルギー、オランダ、トルコの5カ国に米国の核約100発が配備されている。
ショルツ前独政権は、フランスとの「核の戦略対話」は「欧州は米国なしでやっていく」というメッセージになり、米国の関与を弱めてしまう恐れがあるとして慎重だった。欧州独自の核抑止論議はロシアを刺激し、対話の余地を完全に失わせると考えていた節もうかがえる。
英シンクタンク、国際戦略研究所(IISS)のアソシエイトフェロー、マーク・フィッツパトリック氏は「米国が核共有協定の変更を検討している兆候は見られないが、西半球に焦点を当てた米国の国防体制再編の必然的な帰結として変更が行われる具体的なリスクはある」という。
「欧州との国防支出交渉やデンマーク自治領グリーンランドに関する譲歩を迫るカードとしてトランプ氏が欧州の戦術核兵器を利用する可能性も十分にある。彼がこれまで口にしてきた他の予測不能な言動を考えれば、もはや考えられないことではない」(フィッツパトリック氏)
こうした中、フリードリヒ・メルツ独首相は「ドイツ自身が核兵器を保有することはわれわれの権限の範囲外。守らなければならない国際的な合意がある。欧州全体の文脈で英仏とともにわれわれの安全保障の将来をどのように構築するかを話し合う必要がある」と語る。