結論:1期と2期では失敗の質が異なる、日本にとっての意義

 第1期トランプ政権の失敗は「混乱」から生まれた。

 2期政権がもし失敗するとすれば、それは「過度の集中」から生まれる可能性がある。

 トランプ2期政権は、1期の混乱を経て「学習された即興」へと進化したが、その集中は効率と同時に新たなリスクを生む。歴史上の権力者が辿った道筋と同じく、側近政治は強さと脆さを併せ持つ。

 ウクライナ停戦構想をめぐる動きは、その2面性を象徴しているように見える。

 側近に依存する統治は迅速な決断を可能にする一方で、情報が偏りやすく、他国に付け入る隙を生みやすい。

 ロシアが作成した「ノンペーパー」が米側の和平案に大きな影響を与えたとされる点は、トランプ大統領が交渉でロシアのウラジーミル・プーチン大統領に主導権を奪われかねない構造的弱点を示している。

 そして、この構造は日本にとっても無関係ではない。

 今年3月には高市早苗総理が訪米する。その際、大統領の耳元で影響力を持つ「ウィトコフ型」の人物が、果たしてトランプ側近のなかに存在するのか――。

 それを見極めることこそ、日本外交にとって避けて通れない課題となる。

 2期政権の側近政治を理解することは、日本外交の成否を左右する重要な視点となる。