保険適用外も想定、医師会は猛反発

 政府・与党は今後、OTC類似薬をすべて医療保険の適用外とすることを想定しています。OTC類似薬はおよそ7000品目。2027年3月から実施予定の患者負担増では、国の医療費歳出は900億円程度削減できる見込みですが、全品を医療保険の適用外とすれば、歳出削減は1兆円程度になるとの試算も示されています。

 今回の医療費削減はそもそも、自民党・日本維新の会による連立政権が誕生する前、2025年6月に行われた自民・公明・維新による3党合意から本格論議がスタートしています。3党合意では、「現役世代の社会保険料負担を軽減する」という看板を掲げ、国の医療費を年間4兆円以上削減する方針を決めています。

 合意の中心は、全国約11万床の病床削減や診療報酬体系の見直し、そしてOTC類似薬の保険適用除外。これらを通じて、高齢者への医療支援を圧縮する考えなのです。

 ただ、OTC類似薬に関する患者負担の増加には、医師団体や患者団体などから強い反発が出ています。

 日本医師会はOTC類似薬の保険適用除外に一貫して反対してきました。反対理由は大きく3つ。1つは「患者・家族の経済的・物理的な負担」です。医療保険の適用外になると、患者の支払う薬代は現在の10〜30倍になり、病気で苦しむ人や経済的弱者の負担が重くなるためです。

 2つ目は、医薬品の入手方法の問題。地方やへき地などでは一般の薬局やドラッグストアが少ないため市販薬を簡単に入手できず、初期治療できないケースが続出するとみられているのです。

 3つ目は医療上のリスクです。患者が市販薬に頼るようになって医療機関を受診する機会が減れば、重篤な疾患の早期発見・早期治療のチャンスを失うことになりかねないとの懸念です。患者がどんな薬を使っているかを医療機関で把握できなくなる恐れもあります。そうなれば、結局は国民の健康被害が逆に拡大しかねません。