処方されるOTC類似薬、市販薬との価格差15倍も
医師の処方箋が必要な医療用医薬品=OTC類似薬(処方薬)と、ドラッグストアなどで処方箋がなくても購入できる市販薬。似たような効能と成分を持つ双方の大きな違いは、患者の負担する薬代です。
日本総研の成瀬道紀・主任研究員が2025年4月にまとめたレポート「『OTC類似薬』議論のポイント」によると、例えば、解熱鎮痛薬「アセトアミノフェン」(300ミリグラム1錠当たり)の価格は、医療用医薬品の6円に対し、市販薬は88.9円。薬価公定価格と市販薬のメーカー希望小売価格の間には、およそ15倍もの開きがあるのです。花粉症薬「フェキソフェナジン」(60ミリグラム1錠当たり)の場合、医療用医薬品が10.1円、市販薬は103.2円。これも10倍ほどの差があります。
図表:フロントラインプレス作成
公的医療保険が適用されるOTC類似薬(処方薬)の場合、調剤薬局での経費などが上乗せされるため、患者の支払う金額は薬価公定価格よりは高くなります。医師の診察を受ける際のコストなども必要。それでも薬代だけを比較すれば、OTC類似薬の方が圧倒的に患者負担は少なくて済みます。
OTC類似薬に関する患者の負担引き上げ方針は、こうした“差”を解消することで医療保険給付の額を減らし、国の社会保障費の歳出を減らす狙いです。政府は昨年末、この方針を2027年3月から実施することを決定。それを受けて厚生労働省は、患者に負担増を求める薬として77成分・約1100品目を示しました。
具体的な方法は今後、厚労省の社会保障審議会・医療保険部会などの議論を経て決まっていきます。現在有力視されている案によると、患者からは薬剤費の4分の1を「特別料金」として徴収。残り4分の3には医療保険を適用。患者はその1〜3割を負担する方向です。一方、子どもや低所得者、がん・難病などの患者からは「特別料金」を求めないとされています。