利上げの理由はもはや円安抑制しか残らず
なお、消費者物価指数(除く生鮮、以下コアCPI)の見通しについては、展望レポートでは2025~2027年度にかけて「+2.7%→+1.9%→+2.0%」と、前回(10月)見通しからほぼ横ばいであった。+2%への収斂が示された上に、基調的インフレ率が当面伸び悩むとの見方は削除されており、緩やかな利上げ路線の継続が追認されている。
もっとも、前年の食料品価格高騰の反動を受け、当面のCPIが押し下げられる展開が見えている。その中で、利上げの正当性をどのように訴えていくかは問題視されるだろう。
これまで「微妙な現状維持判断」に踏み切る背景として基調的インフレ率が使われてきたことを踏まえると、今後「微妙な利上げ判断」に踏み切る背景としても基調的インフレ率が用いられる可能性は高い。
基調的インフレ率という概念は実態が分からないからこそ汎用性が高い。また、2026年の下押し圧力はコメ価格の影響に煽られた一過性の現象でもあるため、「基調には影響していない」と抗弁することは可能だろう。
もっとも、以下の図表にあるように、足もとの基調的な物価上昇率はさほど上昇するイメージにはない。物価は減速し、成長率も鈍化傾向となっている中、利上げの理由はいよいよ円安抑制しか残らなくなってしまいそうだ。従前より金融政策の通貨政策色が強まっていたが、それが一段と色濃くなっていく展開が見える。
