年収1000万円でシミュレーション、税金はどれだけ減るか
所得税を計算するにあたり、前提条件は以下のとおりです。
・年齢48歳、東京都在住、健保加入
・年収1000万円(収入は全て給与収入、賞与なし)
・給与所得控除195万円、基礎控除58万円、社会保険料控除134万1400円
・課税所得は1000万円−195万円−58万円−134万1400円=612万8000円
・所得税は612万8000円×20%−42万7500円=79万8100円(復興特別所得税は考慮せず)
(1)年収850万円以上で年齢23歳未満の子を扶養している…所得金額調整控除
所得金額調整控除は、2020年の法改正で増税となった年収850万円超の人の税額を調整するための控除です。年収が850万円以上で「本人が特別障害者」「年齢23歳未満の子などを扶養している」「特別障害者である同一生計配偶者か、扶養親族がいる」のどれかの要件を満たす場合に適用できます。所得金額調整控除は給与所得控除と違い、自動的には適用されないので、年末調整または確定申告で申請が必要です。
所得金額調整控除は要件を満たしていれば「夫婦とも」に控除を受けられるという点が忘れられやすい点です。子供を扶養している際に適用される扶養控除とは扱いが異なります。
所得金額調整控除の控除額の計算式は、次のとおりです。
控除額={給与等の収入金額(1000万円超の場合は1000万円)−850万円}×10%
※上限は15万円
年収が1000万円の場合、控除額は「(1000万円−850万円)×10%=15万円」となり、上限の15万円に達します。所得税率が20%となった場合、所得税は3万円安くなります。
(2)配偶者が産休・育休を取得した…配偶者控除・配偶者特別控除
所得控除を受ける人が合計所得金額1000万円以下で、配偶者の所得が58万円以下の場合に「配偶者控除」、58万円超133万円以下の場合に「配偶者特別控除」が受けられます。2024年までは58万円ではなく「48万円」でしたが、10万円アップしています。
共働き世帯でお互いに収入があると夫婦とも配偶者控除・配偶者特別控除の対象にならないために気づきにくいのですが、夫または妻が産休・育休を取得した場合、相手方の収入が少なくなり配偶者控除や配偶者特別控除の対象になる場合があります。
仮に配偶者控除の対象になった場合、課税所得は574万8000円になります。所得税は72万2100円となり、7万6000円の所得税を減らせます。節税できる金額は、所得税率×控除金額で簡易的に計算が可能で、この場合、20%×38万円=7万6000円と計算できます。確定申告することでこの金額が還付されます。
なお、2026年より基礎控除の引き上げにより、2026年分からは配偶者控除は「年間の合計所得金額が62万円以下」、配偶者特別控除も「年間の合計所得金額が62万円超133万円以下」の場合に受けられるようになる見通しです。