世界に誇るべきステークホルダー経営
本書が世界の企業がRJから学ぶべき点として挙げるのは以下の3つである。
① ステークホルダーを補完し合う存在として捉える視点
顧客・従業員・投資家などの価値提供をゼロサムではなくプラスサムで考える、いわゆる「ステークホルダー経営」である。これはジム・コリンズの名著である『ビジョナリー・カンパニー』でも指摘されている通り、繁栄企業の普遍原理でもあり、海外のベストプラクティス企業でも見られる特徴である。
評者の会社はB Corp認証企業であり、ステークホルダー経営の実践をライフワークとしているだけに、日本企業がこの領域で世界をどんどんとリードしていくことを期待したい。
② 長期的視点の重視
企業の長寿命化そのものが善とは言い切れない(と本書でも指摘されている)が、世界の100年企業の6割が日本に所在し、1000年企業が11社あるという事実には、やはり特別な価値がある。
③ リーダーの人間性
権限や地位を使って人を操ろうとするのではなく、リーダーとして、あるいは人間として尊敬される存在になるということだ。
本書で紹介されているRJ企業の経営者たちは、確かに素晴らしい人格者ではあるが、評者としては、むしろ、欧米系の企業のビジネスリーダーのほうが、このことに関しては日本人リーダーより努力をしているという印象がある。なぜなら、欧米では、自分の上司が尊敬できないと思ったら、部下は転職してしまうからだ。
そこで、エグゼクティブ・コーチングなるサービスが登場し、ビジネスリーダーが多面評価などを用いて、コーチの助言のもと、自身を見つめ直し、改善を重ねていくことが一般的となった。日本企業でもエグゼクティブ・コーチングを導入する企業は増えてきているが、一般的になっているとは言い難い。