「FRBは政治から切り離された技術者の島ではない」
投資会社ポトマック・リバー・キャピタルの創設者マーク・スピンデル氏は17年、ジョージ・ワシントン大学教授サラ・ビンダー教授と共著で現代の中央銀行を語る上で欠かせない一冊『独立性の神話』を出版した。
「FRBは政治から切り離された技術者の島ではない」とFRBと大統領、議会の微妙な関係を説明した。
大統領にとっても議会にとってもFRBは「不都合な経済状況のスケープゴート」として利用できる存在だ。ホワイトハウスはインフレや景気後退が起きた際「FRBの金融政策の失敗」のせいにすることで政権への批判を回避できる。
しかしFRB議長・理事の任命権は大統領にあり、上院が承認している。大統領がFRBを激しく攻撃するのは実は「FRBが独立した決定権を持っている」という「神話」を国民に信じ込ませるためで、失敗の責任が自分に向かうのを回避する狙いがある。
議会も責任をFRBに押し付けることで有権者からの批判をかわすことができる。しかし経済危機が発生すると議会はFRBを激しく攻撃するものの、皮肉なことに最終的にはFRBにより大きな権限を与える法改正を行ってきた。FRBの独立性もそうした過程を経て築かれてきた。