2015年12月の国民議会選挙では、野党が勝った。

 だが、2018年5月の大統領選では、野党政治家は立候補できなくされ、マドゥロが再選された。ところが、2019年1月のマドゥロの大統領就任式の後、国民議会議長のフアン・グライドが選挙戦の無効を主張し、暫定大統領就任を宣言したのだが、その後、暫定政府は力を失い、2023年1月には解散した。

 マドゥロ政権は、反米の姿勢を堅持し、ロシアや中国の支援を受けてきた。

経済悪化と国民の逃亡

 経済の悪化と、民主主義の抑圧に耐えかねて、多くのベネズエラ人が国外に出ている。その数は、これまでに730万人にのぼる。実に、2840万人の人口の4分の1以上が国外に脱出しているのである。脱出先は、コロンビア(285万人)、ペルー(104万人)、ブラジル(49万人)、エクアドル(47万人)、チリ(43万人)、アルゼンチン(21万人)などである。

 2024年7月の大統領選挙では、野党連合はマリア・コリーナ・マチャドを候補としたが、マドゥロ政権はマチャドに公職就任を禁止した。そこで、野党側は、エドムンド・ゴンザレスを統一候補とした。マドゥロは勝利宣言をしたが、野党側は選挙に不正があったとしたが、マドゥロは認めず、野党を弾圧した。

 今年のノーベル平和賞は、マチャドに与えられた。彼女は、変装してベネズエラから逃亡し、授賞式には間に合わなかったが、ノルウェーのオスロに何とか到着した。そして、記者会見で、マチャドは、マドゥロ政権を弱体化させるには、トランプ政権の圧力が必要だと述べた。そして、次に会うときには「自由なベネズエラで」皆さんをもてなしたいという希望も伝えた。

 しかし、トランプは、マチャドがベネズエラに帰国しても、「彼女が指導者になるのは非常に難しいだろう。素晴らしい女性だが、尊敬されていない。国内では人気がない」と述べた。トランプは、自分が受賞する予定だったノーベル平和賞を彼女に奪われたので、反感を持っているという説もある。