“包囲訓練”の常態化が台湾経済を締め上げる
中国の習近平国家主席は、台湾に対する軍事的圧力もこの機に乗じて、一層強める恐れがある。
特に昨年12月下旬に行われた台湾周辺での大規模軍事演習「正義使命2025」では、中国の陸海空軍と弾道ミサイルを運用するロケット軍、海警局が参加した。そして、台湾を包囲する形で7つの実弾訓練区域を設け、期間中の部外者の進入を禁止した。
台湾包囲で軍事演習を実施する中国(地図:共同通信社)
この演習で台北発着の航空機14路線のうち11路線が影響を受けた。国際線の欠航はなかったようだが、台湾は世界屈指の海上コンテナの中継基地である高雄港や、世界トップレベルの半導体メーカー、TSMCの一大拠点を抱える。
台湾経済に大打撃を与え、中国を敵視する頼政権をつぶすためにも、近々台湾包囲訓練をさらに大規模かつ長期間にわたって続けることも十分あり得るだろう。
さらに警戒すべきは、台湾が南シナ海の南沙諸島で領有する太平島、中洲島と、東沙諸島の東沙島を中国が武力占領しかねない点だろう。
この場合、島への直接攻撃は避け、海空軍を駆使してじっくりと完全封鎖し、兵糧攻め戦術で島の台湾軍守備隊を降参させる作戦を選択する可能性もある。戦闘による犠牲者を出さずに占領できれば、国際的な批判も軽く済む。
太平島は台湾本島から約1400km、東沙・中洲両島は同約400kmも離れており、補給線確保は困難だ。南シナ海における海空軍力で優位に立つ中国軍に対し、台湾軍単独ではとても対抗できないだろう。
台湾統一を画策する中国の習近平国家主席(写真:ゲッティ=共同通信社)