自動運転時に遠くのクラウドにデータを送っていては衝突回避は間に合わない

 今回の提携は30年ごろに実用化される6Gの標準規格をノキアとエヌビディアが主導するための布石だ。6Gは「AIネイティブ」な設計になると考えられており、基地局が自ら学習して進化する自律型ネットワークの構築を目指している。

ノキアに10億ドルを出資するエヌビディアのジェンスン・フアン社長兼CEO(写真:ロイター/アフロ)

 自動運転車が街を走る際、いちいち遠くのクラウドにデータを送っていては衝突回避が間に合わないケースも想定される。しかし街角のノキア製AI-RAN基地局がエヌビディアのチップで瞬時に周囲の死角を解析し、車に「止まれ」の信号を返せば、通信遅延を劇的に短縮できる。

 フィンランド投資調査会社インデレスのアナリスト、アッテ・リーコラ氏は10月29日付で「エヌビディアの投資がAI狂騒曲に拍車をかける」と題し「提携は長期的にノキアの市場ポジションを改善する可能性があるが、売上高や利益への影響はまだ不透明」と分析している。

「ノキアは株式市場における『AI関連銘柄』の仲間入りを果たしたが、具体的な成果が得られるのは今後10年間の終盤だろう。成功すればエヌビディアとの提携は6G時代に向かうモバイルネットワーク分野でのノキアの地位を強化する」(リーコラ氏)