京都医塾の教育理念の源泉は、清家二郎塾長自身の波乱に満ちた歩みにある。京都の進学校を卒業後、19歳での長期入院などで学習を思うように進められなかったことを経て、東京大学理科Ⅰ類に合格。
その後、医師を志し信州大学医学部へ進むが、卒業後、医療と教育で悩んだ末に教育者の道に進んだ。学力だけでは超えられない壁や、遠回りの苦しみを知る清家氏は、自身の挫折も糧に教育の道を選び、「一人の人間」として受験生に向き合う現在の指導スタイルを確立したのである。
清家塾長は、「京都医塾が見据えているのは、医学部入学だけではありません。将来、医師を求めてくる『いのち』に向き合い、自らの全力を賭して、本気でむきあうことができる強い医師を育てることが私たちの最大のミッションです」と言う。
解決すべき医療問題とこれからの教育のありかた
医師の偏在と定員削減という2つの課題は、日本の地域医療の持続可能性を脅かす危機となる可能性をはらんでいる。しかし、この危機は同時に、教育機関の在り方、そして地域医療を支える医師の姿を見直す機会でもある。
民間の教育機関は、未来の医師の卵を医学部に合格させて、単なる合格実績を競うだけでなく、社会的な使命を理解することが重要だ。そして、医療機関には、地域医療の問題解決に貢献する医師を育成するという重要な責任が求められる。
医師の定着には、地方病院の勤務環境改善やキャリアパスがあることも不可欠だ。優れた人材をいかに育成し、都市部だけでなく地方にも質の高い医療を実現するか。この課題を解決することが、日本の医療崩壊を防ぐ鍵となる。長期的な視点から医療人材を生み出す教育が強く求められている。