「改革」を担うのは誰か

 自維「連立」政権の誕生は、事実上、自民を割って結成された維新がいわば15年の時をへて「元のさや」に戻った感もある。

 しかし、税金の無駄使いに対する国民の目は厳しく、何より人口減少という最大の課題を抱えるこれからの日本政治にあって、時代に応じた「改革」は不可避である。

 維新の第一世代が行った問題提起には共感するところもあり、最後に、市民感覚に即した政治文化の刷新と統治機構改革をあげておきたい。

 永田町をとりまく「飲み食い政治」への拒絶と民間のコスト意識の強調は、維新のもたらした重要な視点だろう。国会議員となれば料亭やレストランでの飲み食いが日常化し、パーティに出席すればチヤホヤされる。飛行機に乗る時は別動線でVIPルームへ通され、広いソファで飲み物やケータリングに恵まれる。そのうちに庶民の感覚は麻痺し、有権者と乖離してしまう。

 国会の膨大な紙文化や形式的な議事進行、議員の立場を誇示する「身分証」となっている議員バッジなどは、市民感覚にあわせて順次、廃止していくべきであろう。

 また、維新がその「本丸」と位置づける行政制度改革、とりわけ地方分権や都市分権も与野党ともに共有されるべき課題であろう。東京一極集中を是正し、全国に散在する政令市や中核市へと大幅に権限や財源を移譲する分権改革は、文字通り「政治家しかできない仕事」である。

 維新の政権与党入りで「改革」の担い手が混沌とする今、それらの課題をなしとげる情熱を持つ者こそが、次なる「改革」の旗手となっていくはずである。

【参考文献】
松原聡「『既得権交代』としての政権交代」『公共政策研究(9巻)』2009年
橋下徹『政権奪取論』朝日新書、2018年
橋下徹『政権変容論』講談社+α新書、2024年