『百一新論』とは?

『百一新論』(明治7年3月)全2巻について、簡単に触れておこう。これは、西周が著した政治・社会思想に関する論文集であり、日本の近代思想史において、近代政治学・社会学の嚆矢とされる重要な文献である。

 西は、コントの思想に基づいて、百学を一つにする、つまり諸科学を統一しようとする学問を、日本で初めて「哲学」と名付けた。西はこの哲学を作るために、従来の日本思想が準拠していた中国思想と、新しく入って来た西洋思想とを対比し、礼・法・教の三点を論じている。

『百一新論』は、西の思想の全貌を知るうえで極めて重要であり、明治政府の初期政策、特に法制度・教育制度の近代化に影響を与えたとされている。西の弟子である加藤弘之らを通じて、後の自由民権思想や近代社会学の萌芽にも繋がったのだ。