中小零細企業を含め経済界はもっと声を上げるべきだ
先日出席したある中小企業経営者の集まりで、「現在はまだ影響はないが、年明け以降中国ビジネスの行方が心配だ」との声があった。
企業は、戦争や感染症、外国政府の政策変更など大きな外的環境変化には常に備えるべきだ。同時に、政治家の不用意な発言で、数パーセントの営業利益率を必死に上げようと経営している納税者である企業の経営をゆがめることがあってはならない。
中国で公演予定のあったアーティストも大きな損害を被った。中国人団体客の減少は大きいと聞く。税金で運営されている組織に属する、公的な立場にある人の発言には矜持が求められる。中小零細企業を含め経済界はもっと声を上げるべきと思う。
山中 俊之(やまなか・としゆき)
著述家・起業家
1968年兵庫県西宮市生まれ。東京大学法学部卒業後、1990年外務省入省。エジプト、イギリス、サウジアラビアへ赴任。対中東外交、地球環境問題などを担当する。首相通訳(アラビア語)や国連総会を経験。外務省を退職し、2000年、日本総合研究所入社。2009年、稲盛和夫氏よりイナモリフェローに選出され、アメリカ・CSIS(戦略国際問題研究所)にて、グローバルリーダーシップの研鑽を積む。2010年、グローバル理解やグローバル人材開発支援、世界とつながる地域創生支援を目的としたグローバルダイナミクスを設立して代表取締役就任。2015年からは、神戸情報大学院大学教授を兼任、アフリカ等からの留学生に対して社会イノベーションについて教鞭をとる。研究室の卒業生の中からは欧州有力ファンドから資金調達に成功した起業家も生まれる。世界101カ国を訪問(2025年4月現在)。先端企業から貧民街・農村、博物館・美術館を徹底視察。ケンブリッジ大学大学院修士(開発学)。高野山大学大学院修士(仏教思想・比較宗教学)。ビジネス・ブレークスルー大学大学院MBA、大阪大学大学院国際公共政策博士。京都芸術大学学士。
著書に『世界94カ国で学んだ元外交官が教える ビジネスエリートの必須教養 世界5大宗教入門』(ダイヤモンド社)、『世界96カ国で学んだ元外交官が教える ビジネスエリートの必須教養 世界の民族超入門』(ダイヤモンド社)など。