練習する立教大の馬場賢人 写真提供/ナイキジャパン(以下同)
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(スポーツライター:酒井 政人)

予選会は最下位通過で「課題が見えた」

 高林祐介駅伝監督が就任2年目を迎えた立大。昨季は箱根駅伝予選会をトップ通過して、初出場した全日本大学駅伝(7位)でシード権を獲得した。しかし、今季は箱根駅伝予選会が最下位通過。全日本大学駅伝は14位に終わった。主力選手が大量卒業したとはいえ、右肩上がりを続けてきた立大に何があったのか。高林監督はチームの現状をこう語った。

「箱根予選会前は3~5番目くらいで通過できそうかなと考えていました。当日の走りもほぼ想定通りだったんです。でも今年の予選会はかなりレベルが高かった。とにかく上位校がミスをしない。やるべきことをやって、その結果が10位だと受け止めています」

指導する高林祐介駅伝監督

 立大の総合成績は10時間36分56秒。気象条件に恵まれたこともあり、過去最速の予選会となり、「なかなか苦しい戦い」になった。それでも順位を落とした明確な理由があった。それはエース馬場賢人(4年)が欠場したことだ。チーム10番目のフィニッシュは個人255位(1時間5分27秒)。もしハーフマラソンで日本人学生歴代3位の1時間0分26秒を持つ馬場が参戦していれば、総合成績はかなり変わっていただろう。

 しかし、高林監督はそういうことを考えていなかった。

「選手たちも馬場がいてくれたらというマインドはなかったと思います。馬場がいない状況でどう戦うのか。本戦でシード権を目指すための課題が見えた良い機会だったととらえています」

 2週間後の全日本大学駅伝は1区15位スタートからほとんど順位を上げることができなかった。

「全日本は物足りなかったですね。他大学と争ったというよりは、戦う前に息切れしたと感じました。目標を達成するには、大前提として今の状態のベストを出さなければいけません。全日本は出しきれなかった部分があり、そこは課題だと思います」