トランプ大統領(写真:Pool/ABACA/共同通信イメージズ)

「ウクライナで続く戦争はモスクワが罰されずにきた結果」

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[ロンドン発]ドナルド・トランプ米大統領は戦争終結に向けた28項目和平案をウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領に提示し、11月27日までに受諾を迫っている。ウクライナには主権放棄に等しい内容で、ウラジーミル・プーチン露大統領は前向きな構えを見せる。

 28項目和平案の主なポイントは(1)戦闘が続く東部ドンバスの事実上の割譲、(2)ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)加盟を断念し、憲法に恒久的な「非加盟」規定を設ける、(3)ウクライナ軍の縮小――で、ウクライナが「尊厳ある和平」を確立できるかが争点だ。

 ゼレンスキー氏は11月22日、「現在ウクライナで続くこの戦争、他国へ波及する恐れすらある戦争はモスクワが罰されずにきた結果だ。どのような政体に変わろうと罰を受けない限り、ロシアは悪事を繰り返そうとする」と警戒感をあらわにした。

「今後数日間、戦争を終わらせるために必要な手順についてパートナー国との協議が行われる。わが代表団は自国の国益をいかに守るべきかを熟知しており、ロシアによる第三の侵略を防ぐために何をしなければならないかを完全に理解している」と脇を締め直した。