「28項目は拙く曖昧だが、戦争終結の出発点になりうる」
これに先立つ21日、プーチンは和平案を受け取ったことを認め「最終的な和平合意の基盤となり得る。しかしわれわれと実質的な議論は行われていない。米政権はこれまでウクライナの同意を得られていない。ウクライナはこれに反対しているからだ」と述べた。
英ロンドン大学スラヴ・東ヨーロッパ研究科のマーク・ガレオッティ名誉教授は英高級日曜紙サンデー・タイムズ(11月22日付)への寄稿で 「トランプ氏の28項目和平案は拙く曖昧だが、戦争終結の出発点になりうる」と解説する。
28項目和平案は外交文書の体裁をなしておらず、粗雑で矛盾や空白が多いという。最終案ではなく、米国とロシアが停戦交渉のたたき台として作ったとの位置付けだ。しかしバルト三国の一つ、リトアニアのギターナス・ナウセーダ大統領は「降伏」と非難する。
ゼレンスキー大統領(写真:Europa Press/ABACA/共同通信イメージズ)
ゼレンスキー氏も「尊厳を失うか、主要パートナーを失うか」と苦渋の色をにじませる。ガレオッティ名誉教授は「それが前提のように米露が物事を決め、ロシアのG8復帰、制裁解除の段階的実施についてもEU、西側との同意形成を無視している箇所が目立つ」と指摘する。