英国防省「ウクライナ軍は長期的には50万人規模が限界」
プーチンは「ウクライナ抜きの米露協議」を大々的に宣伝する。28項目和平案はウクライナ抜きで交渉が進められている表れだが、実際の和平交渉は欧州とウクライナが参加しない限り成立しない。ウクライナがトランプ氏から突きつけられた譲歩は甚大な痛みを伴う。
プーチン大統領(写真:Gavriil Grigorov/TASS via ZUMA Press/共同通信イメージズ)
ロシアの実効支配地域について西側諸国の多くも「当面ウクライナが取り戻すことは難しい」と認識する。占領地の大半はロシア支配が継続するものの法的に承認しない。将来、攻撃拠点にならないよう非武装化を条件に東部ドネツク州の残り5分の1をロシア側に割譲する。
ウクライナ軍の兵力上限を60万人にする。戦前平時の25万人より多い。英国防省は「ウクライナ軍は長期的には50万人規模が限界」と分析しており、現実的な規模と言える。
ウクライナのNATO加盟は閉ざされるが、EU加盟は可能と明記されている。モスクワを射程にとらえる長距離ミサイル保有も維持される。プーチンは占領した一部地域から撤退、西側に凍結された1500億ポンド超の国有資産の請求を放棄するなどの譲歩を迫られている。