互いを補完し合う人とAIの協業時代始まる
AIが全自動で決めるのではなく、AIが膨大な選択肢を整理し、人間が最終的な意思決定を行うための材料を整える。これは非常に賢明なアプローチです。
では、経営者としてどのようにAIエージェントを組織に組み込むべきか。私はいつも3つの質問を投げかけています。
その業務は、完全に数値化(言語化)できるか?
その判断に、熟練の勘や身体的なニュアンスは介在していないか?
AIを入れることで、現場の「余白」が失われ、窮屈にならないか?
何でもAIに任せればいいという風潮は、2023〜2024年頃の一時的な熱狂でした。
2025年の今は、AIが向く部分と向かない部分を冷静に区別し、人とエージェントの協働(Co-creation)に最適化するフェーズに入っています。
私自身、米オープンAIの提供する生成AI「ChatGPT」をはじめとする生成AIとの対話を日々続ける中で、AIの限界と可能性の双方を体験してきました。
AIは正確ですが、人間は正確さの中に遊びを作ることができます。
AIは合理的ですが、人間は不合理の中に意味を見いだします。
完璧さとは万能であることではなく、その完璧さが置かれている文脈まで含めて理解することです。
AIに奪われるのは単純な正確さであって、人間の求めている完璧さではありません。
その違いを見極めながら、AIという強力なパートナーと共に、次の時代を歩んでいきたいものです。