中国政府は、台湾を独立させようという動きには断固として反対する。習近平は、中華人民共和国建国100年目の2049年までには台湾を統一することを目指している。武力統一も辞さない姿勢である。

トランプ政権の台湾政策は視界不良

 大阪の総領事の発言について問われたトランプ大統領は、中国批判を避けた。アメリカは台湾支援法に基づいて、台湾への武器の売却を継続している。習近平は、アメリカが台湾への支援を減らすことを希望している。

 もし、レアアース規制と台湾問題をディールすれば、東アジアにおける戦略環境が大きく変わってしまう。ルビオ国務長官は、そのようなディールはしないと明言しているが、トランプの言動は予測不能である。

 これまでも、トランプは台湾の希望通りに動いていない。8月には、頼清徳総統の中南米歴訪の際に、ニューヨークへの立ち寄りを認めなかった。また、アメリカでの米台防衛協議の出席者を閣僚から格下げするように台湾に要請している。

 さらには、台湾への武器売却を、今年の夏には認めなかったとも言われているが、いずれも、トランプによる中国への配慮であろう。今後、トランプがどのような台湾政策を展開するかは不明であることが、また大きな不安定要因である。