戦略国際問題研究書が公表した「2026年台湾有事」のシナリオ

 アメリカが台湾に軍事介入する場合には、米軍は、日本や韓国に展開する米軍基地などから出動する。それに伴い、日本の自衛隊や韓国軍は、事実上米軍を支援することになるので、必要な準備はしておかなければならない。

 自衛隊は、2016年に与那国島、2019年には宮古島と奄美大島、そして2024年3月には石垣島に駐屯地を開設したが、それは中国の脅威、そして台湾有事に対応するためである。

 米軍も、中国による台湾侵攻を前提に、戦争の準備を加速化させており、中国が2027年まで武力統一に実行するというシナリオが書かれている。

 ワシントンのシンクタンク、「戦略国際問題研究書(CSIS)」は、2026年に中国軍が台湾への上陸作戦を実施するというシナリオを2023年1月に公表したが、中国は台湾を容易には占領できないというのが最も可能性が高いシナリオだという。

 しかし、そのケースでも、中国軍は揚陸艦の9割を失うが、米軍は空母2隻とその主要艦7〜20隻、航空機168〜372機、自衛隊は航空機112機、艦艇26隻を失うという。

 米軍は日本などに展開する米軍基地から出撃し、同盟国日本の自衛隊は米軍を支援する。したがって、中国軍の攻撃の対象となる。

 武力による台湾統一はリスクが大きすぎるし、そのことは習近平自身が認識している。しかし、習近平の野望は、台湾を中国に取り戻すことであり、着実にその準備は進めている。11月5日には、3隻目の空母「福建」が就役した。台湾有事が念頭にある。さらに、4隻目の空母(原子力空母?)の建造もすでに開始されている。