——太陽の家は多くの雇用を生み出すと同時に、直営のスーパーマーケットや協力企業の銀行の設計などを通じて、障がいのある人もない人も暮らしやすく、共生しやすい街づくりに貢献しています。でも、まだまだ知られていないのではないでしょうか。
山下:県外の方には知られていないですよね。太陽の家では、60年間で約1330人の障がいのある人が納税者になりました。でも、障がい者雇用と言うといまだになんとなく軽作業をしているようなイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。実際に視察に来た方は『普通の会社じゃないですか』と驚かれます。百聞は一見に如かずですから、まずは見にきてほしいですね。
それに、私たちは仕事だけなく、アフターファイブも楽しんでいます。飲食店にも車いすで行けますし、温泉にも入ることができます。ぜひ別府市に1泊して、別府の街も見てほしいです。
障がいのある人を、人として見なければいけない
——太陽の家から見て、日本は共生社会の実現に向けて歩んでいるように見えますか。
山下:共生社会の実現は永遠のテーマだと思っています。ハード面が変わってきている一方で、ソフト面は全く変わっていないわけではないけれども、障がいのある人を一括りにするといった見方は国も含めてまだまだあります。
ひとつ例を挙げると、高速道路の利用や公共施設には障がいのある人の割引制度があります。しかし、納税者として働いている私たちに、なぜ割引をするのでしょうか。そこはやっぱり考え方を変えていかなければなりません。障がいのある人を、人として見なければいけないと思います。
ただ、最近思うのは、若い方々は障がいのある人に対して普通に接していて、障がい者として区別する意識を持っていない方が多いですよね。車いすに乗っている人に対しても、普通に接している人をよく見ます。そういう方々が年齢を重ねていくにつれて、変わってくると期待しています。







