ニューヨーク市長選で勝利したゾーラン・マムダニ氏(11月4日、写真:UPI/アフロ)
民主党、カリフォルニア州で下院5議席増か
11月4日、米国東部のニュージャージー州、南部バージニア州の知事選、およびニューヨーク市の市長選で民主党候補がそれぞれ50%を超える得票率を得て勝利した。
(Election 2025: News, results and analysis | CNN Politics)
また、カリフォルニア州ではギャビン・ニューサム知事(民主党)が提案した新しい選挙区画再編案*1が63.9%の支持を得て実現した。
*1=カリフォルニア州における次期連邦下院選挙(2026年)に向けた区割り変更が実現したことで、民主党(カリフォルニア州に割り当てられている52議席中、43議席を占めている)は、これまで共和党が保持していた9議席のうち最大5議席を奪える可能性が出てきた。
(Californians pass redistricting measure that helps Democrats flip up to five House seats)
これは、テキサス州議会が今年夏、下院議席区割り改正法案を可決・制定(共和党が+5議席を獲得できる可能性が出てきた)したことに対抗した政治的意味合いがある。
(注:テキサス州で制定された新たな選挙区割りは異議申し立てを受けて裁判所が現在審理中。カリフォルニア州でも同様の裁判に発展する可能性がある。その場合、異議申し立てが認められる可能性はテキサス州で2~3割、カリフォルニア州では1割程度とみる専門家が多い)
(Texas Senate approves GOP congressional map, sending plan to Abbott’s desk)
(Texas Republicans unveil redistricting map to expand GOP foothold by 5 seats, including 1 in Houston)
トランプ氏に批判的な保守派政治戦略家、リック・ウィルソン氏は自身のサイトに「昨夜の出来事:MAGAに漂い始めた死臭」と題して、こう書いている。
●政治の世界では、国民が肩を叩きながら「もううんざりだ」と声をかけてくる夜がある。昨夜(11月4日)はまさにそんな夜の一つだった。
●この世の終わりかと思えるような昨夜の敗北で、ドナルド・トランプ(米大統領)とMAGA(Make America Great Again=米国第一主義)には一筋の光明も見えなくなった。
(About Last Night: MAGA Reeks of Death)
一方、ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)のコラムニスト、ジェス・ビッドグッド氏は次のように書いている。
●共和党は、優勢と思われていた選挙戦(カリフォルニア州の区画再編をめぐる住民投票、ニュージャージー州知事選)で大差で負けた。
●敗因は、2024年の大統領選でトランプ氏の圧勝を支えた有権者が、今回は投票に行かなかったことだ。
●元共和党下院議長のニュート・ギングリッチ氏は、トランプ氏が選挙戦に不参加だったこと(投票用紙にトランプ氏の名前がなかったこと)で共和党候補に投票する可能性のあった有権者が家にこもったのが大きな要因だったと分析している。
●ギングリッチ氏はまた、これは共和党が直面する課題であり、2028年の大統領選でトランプ氏の再選がない以上、これは避けられない課題だとも述べている。
(The Republicans Warning They Have a Problem - The New York Times)
カマラ・ハリス民主党大統領候補を破り、上下両院、知事選でも民主党を打ちのめした1年前の選挙以来、初めての「国民の審判」で、トランプ氏はイエローカードを突き付けられたのだ。