トランプの名前がなかったのが敗因

 トランプ氏は11月4日(米国東海岸時間)、自身のSNS「Truth Social(トゥルース・ソーシャル)」に、「トランプという名前が選挙名簿に載っていなかったことと、政府機関が閉鎖(シャットダウン)していたことが敗因だった」と投稿した。

(TRUMP WASN’T ON THE BALLOT, AND SHUTDOWN, WERE THE TWO REASONS THAT REPUBLICANS LOST ELECTIONS TONIGHT.)

Trump says choice is between 'communism or common sense' after Tuesday's elections - ABC News

 選挙日の翌11月5日、トランプ氏は共和党上院議員団向けの朝食会で、「我々(共和党)はフィリバスター(上院の議事妨害制度)を終わらせるべきだ」と発言し、上院での法案可決のハードルを下げる必要性を訴えた。

Senate Republicans brush off Trump's push to end filibuster | Reuters

 確かに、トランプ氏が言う通り、今の共和党は「トランプなし」では選挙には勝てない。

 だが、トランプ氏自身、それが党としての構造的な政治スタンスに起因していることまで気づいているのかどうか。

 トランプ氏ががむしゃらに推し進めたトランピズムに対する米国民の反発と不満が今回の選挙で現実のものとなったのではないのか。

 有権者に公約した豊かな暮らしはもとより、物価対策、重課税、失業対策など口先だけで何ら実現していない。不法移民国外追放もいいが、一般庶民の生活は全く改善されていない。

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 関税政策一つとっても、そのしわ寄せはMAGA支持層に来ている。しょせん華やかな外交などは庶民生活には無関係だ。

 民主党は大規模な運動員を動員し、SNSを通じてこうした不満票をかき集めた。2024年の大統領選挙でトランプ氏に投票した人の一部は今回は投票に行かなかったり、共和党に投票しなかったりした。