「ビッグテント」の中の論争、小競り合い

 共和党の敗因をトランプ陣営のMAGAの「家庭の事情」とみるメディアも少なくない。

 ロサンゼルス・タイムズのアニタ・チャブリア氏は、MAGAの「ビッグテント(大きな連合体)」が脆くなってきていると指摘、以下のような論考を書いている(要約)。

●MAGA運動は当初、「エスタブリッシュメントからの反乱」「反グローバル化」「白人中間層・ブルーカラーの復権」などの訴えを軸に広がりを見せたが、その支持層の価値観が拡大・変化する中で 「何を基盤にするか」 が曖昧になってきた。

●MAGA支持層の中に「価値観のずれ」「戦略・目標のずれ」「リーダーシップ・方向性のずれ」が出現しており、これが「ビッグテントの崩壊」の兆しになっている。

●MAGAに変化や分裂が起きている要因の一つには、気候変動・干ばつ・山火事などの災害に不安を抱いている農村・郊外地域の保守派住民が、トランプ政権や制度への不信を強めている。

●MAGA運動は、誰のため、どういう価値観か、という点において、もはやひとつの統一された潮流として機能していない。

 非介入外交派 vs 軍事強硬派、草の根支持者 vs ハイテク資金支持者、白人伝統保守 vs 多様な支持層獲得という軸での対立が強まっている。

●MAGA支持者の中に極端な右派・反制度派・陰謀論支持者が増えてきており、これがビッグテントを内側から引き裂く可能性がある。

MAGA anti-Indian racism and antisemitism create a massive rift among conservatives - Los Angeles Times