入山者数が14万人以上減少…コロナ禍以降、地域もピンチに

 ちなみに近年、国立公園入山者数は減少の一途をたどっている。とくに激減したのが、コロナ禍の最中。尾瀬国立公園も例外ではなく、2020年の入山者数は前年比で14万人以上が減少し、10万人余りとなった。以降も完全回復は叶わず、2024年の入山者数は15万人余りにとどまり、現在も減少傾向に歯止めがかからない状況となっている。星野リゾートは、そこに一石を投じた。

 総支配人の福井ゆう子さんは、台中(台湾)の秘境にある温泉リゾート「星のやグーグァン」の前総支配人として辣腕を振るったキャリアの持ち主。山梨県八ヶ岳の麓で幼少期を過ごし、自身も山が好きだという福井さんは、「初めて自然体験をするビギナー層にも、安心して泊まってもらえるような受け皿を目指したい」と話す。

総支配人の福井ゆう子さん

「LUCYは、新たに創出したカテゴリー“山ホテル”です。ホテルの快適性を追求しながらも、けっしてラグジュアリーではなく、山岳施設ならではの温かみと、自然環境に溶け込む雰囲気を大切にしています」 

ゲストルームのひとつ、ツインルーム

 たとえば温水洗浄トイレや清潔感のあるシャワー&パウダールーム。ゲストルームは、コンパクトながらもプライベート空間でくつろげる寝室が用意されている。もちろん電源、Wi-Fiも完備。ファミリーやグループでの滞在向けのフォースルーム、ツインルームのほか、1人用のドミトリーにも快適なマットレスが備えられている。 

宿泊棟1階の「Food & Drink Station」は、セルフレジで24時間利用可能な “ラストコンビニ”。いなり寿司やパン、エナジーバーなどの行動食、長時間の登山にも備えられるグッズも販売。Tシャツやスウェットなど、登山前後での着替えニーズもカバー