国宝《曜変天目(稲葉天目)》南宋時代(12〜13世紀) 静嘉堂文庫美術館蔵 通期展示
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(ライター、構成作家:川岸 徹)

大阪・関西万博にちなみ、岩﨑家(静嘉堂)が19~20世紀の博覧会に出品した美術品を紹介。さらに「未来の国宝」と題して、静嘉堂が将来の国宝候補と見込む作品を展示する「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)開催記念 修理後大公開! 静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」展が静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)で開幕した。

大阪・関西万博の余韻は続く

 184日間にわたって開催された2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)が10月13日に閉幕した。一大イベントの終了に寂しさを感じている人もいるだろうが、万博の余韻はしばらく続きそうだ。大阪市立美術館で開幕する特別展「天空のアトラス イタリア館の至宝」(10月25日~2026年1月12日)では、万博のイタリア館で展示された古代彫刻の名品《ファルネーゼのアトラス》、ペルジーノの代表作《正義の旗》を引き続き公開。さらにレオナルド・ダ・ヴィンチ《アトランティコ手稿》が追加で出品されるという。

 東京では静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)にて「修理後大公開! 静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」が開幕した。大阪・関西万博の開催を記念した展覧会で、三菱二代社長・岩﨑彌之助、三菱四代社長・岩﨑小彌太、および静嘉堂として国内外の博覧会に出品した作品を一挙公開。あわせて現時点では国宝ではないものの、静嘉堂が将来の指定を期待する「未来の国宝」など、自慢の品々を展示する。出品作62件(前・後期合計)のうち、国宝3件、重要文化財17件、重要美術品10件が占めるという豪華な内容。今回は本展の見どころを紹介したい。