イスラエルがネタニヤフ氏をICCに引き渡す未来
ロスウェル:イスラエルの軍事攻撃によって、モハメド・デイフはすでに死亡している可能性が高いと言われています。逮捕状が出た段階で、すでに亡くなっていた可能性も報じられています。ですから、この逮捕状は、主にネタニヤフ首相とガラント元国防相に対して出されたものです。
もしこの2人が、あるいはどちらかがイスラエルを出てローマ規程のメンバー国に入国することがあれば、逮捕される可能性があります。
ネタニヤフ首相は今年訪米しましたが、アメリカはローマ規程のメンバー国ではありません。オーストラリアでは、もしネタニヤフ首相がオーストラリアに来たらどうするべきかと盛んに議論されました。オーストラリアがローマ規程のメンバー国だからです。
オーストラリアの現政権はこの質問に答えていませんが、ネタニヤフ首相がオーストラリアを訪問する可能性はどのみちそう高くはありません。オーストラリアもネタニヤフ首相を招待することはないでしょう。
ただ、ネタニヤフ首相とガラント元国防相は、どこの国なら自分は訪問できるのかということを用心深く見極めなければなりません。
──イスラエルの中にいる分には、逮捕されることはないということですね。
ロスウェル:今はそうでしょう。でも、ドゥテルテ前大統領と同様に、ネタニヤフ氏が首相の座から下りて、次の政権が彼を国際刑事裁判所に引き渡そうと判断するならば、逮捕もあり得ます。まだ仮定における話ですが、状況は大いに変わる可能性があるということです。
──イスラエルはローマ規程のメンバーではありませんが、それでも、フィリピンのようにそうした展開はあり得るということですね。
ロスウェル:そうです。イスラエルの中には、ガザの扱いを巡って政治的な対立があります。もしネタニヤフ首相に対抗するスタンスの新政権ができれば、そうした可能性もあり得ます。