橋を架けることを考えずに壁をつくる人はキリスト教徒ではない
教皇就任直前には「ドナルド・トランプ米大統領とエルサルバドル大統領が米国居住者を不法に国外追放している。エルサルバドルからの不法入国者だったワシントンDCの補佐司教は『苦しみが見えないのか。良心が痛まないのか。なぜ黙っていられるのか』と問いかける」という投稿を共有している。
過去の投稿からは社会的に疎外された人や貧困層への深い関心、国民の福祉を保障する政府の役割というテーマが浮かび上がる。銃乱射への無策や死刑を非難し、コロナ危機では社会的弱者へのケアとしてワクチン接種を勧めた。トランプ氏の政策が環境に与える影響に懸念を示す。
2016年米大統領選でメキシコ国境に壁をつくると公約したトランプ氏をフランシスコは「橋を架けることを考えずに壁をつくる人はキリスト教徒ではない」と批判した。トランプ氏は「バチカンが過激派組織ISに攻撃されたらISの戦利品になるだろう」と侮辱の言葉で応じた。
フランシスコの逝去に際しトランプ氏は自らが創設したSNS「トゥルース・ソーシャル」で「神様が彼と彼を愛したすべての人を祝福しますように」と追悼した。レオ14世が初の米国人教皇となったことを受け「米国にとって大きな栄誉」と称えた。
教皇の威光を利用しようとしているのか、トランプ氏の意図は分からない。