「愛の秩序」の教えに関するバンス米副大統領の誤った解釈

 4月20日、生前のフランシスコはイタリアを訪問したJDバンス米副大統領と質素な住まいで会った。バンス氏はカトリックに改宗した熱心な信者だが、両者はトランプ政権の移民政策、特に大規模な強制送還措置を巡り対立してきた。

4月20日、米国のバンス副大統領の訪問を受けたフランシスコ教皇(提供:Vatican Media/­ロイター/アフロ)

 レオ14世は「愛の秩序」の教えに関するバンス氏の誤った解釈を批判する「イエスは私たちに他者への愛を順位付けするよう求めてはいない」と題した米紙ナショナル・カトリック・レポーターの寄稿(2月1日付)をX(旧ツイッター)で共有している。

 バンス氏は1月29日、米FOXニュースで「キリスト教には、まず家族を、次に隣人を、次に地域社会を、そして同胞を愛し、最後に世界の残りの部分を優先するという考え方がある。しかし極左の多くはそれを完全に逆転させている」と発言し、オンライン上の議論を二分した。

 寄稿した神学者は「イエスが家族について語る時、それは血縁や国境ではなく、神における親族関係によって定義される。私たちが『隣人とは誰なのか』と自問するなら、すでに本質を見失っている。より適切な問いは『どうすれば限りなく愛せるのか』だ」と説いている。