⑦休憩所1(大西麻貴+百田有希/o+h)
設計者:大西麻貴+百田有希 一級建築士事務所 大西麻貴+百田有希/o+h/主用途:休憩所、トイレ/階数:平屋建/延床面積:830.10m2/構造:膜構造 、鉄骨造、木造

【設計コンセプト】
人間の五感を使って感じられる、生き物のような建築を計画します。まるで毛皮のような屋根や、柔らかい布をめくって入る開口部、すべすべで触りたくなる壁など、建築の要素をやわらかく、親しみやすいものにすることで、これからの建築の可能性を広げていく建築です。組み立てが容易で、テント地・毛皮が外皮を覆う円形平面の大屋根空間は、モンゴルのゲルのようでもあり、人々が集う空間は、視覚はもちろん、触覚、聴覚、嗅覚などを触発する空間とすることで、さまざまな人に開かれたインクルーシブな空間となります。

o+hの大西麻貴、百田有希両氏は「山形市南部児童遊戯施設シェルターインクルーシブプレイス コパル」で2023年の日本建築学会賞作品賞を、「熊本地震震災ミュージアム KIOKU」で2024年度のJIA日本建築大賞を受賞し、若手というよりもすでに“大御所”の感がある。
柔らかさを追求する2人がここで取り組んだのは光を通す屋根。フラメンコのダンサーがスカートを翻すような躍動感のある形状。半透明の膜素材の上に、布を重ね張りしてケバケバ感を出した。先に取り上げた小俣氏のトイレと「新しい膜屋根」という着眼点は同じだが、全く回答の方向性が違うのが面白い。
ネットを張った子どもの遊び場の裏側には、アメーバ状にトイレが広がる。トイレの個室に入っても、上から色鮮やかな光が差すのが楽しい。若手といってもすでにSANAAと競うポジションで、さすがのクオリティ。



