④トイレ4(設計:浜田晶則)

設計者:浜田晶則 株式会社浜田晶則建築設計事務所 AHA 一級建築士事務所/主用途:トイレ/階数:平屋建/延床面積:138.63m2/構造:木造

【設計コンセプト】
人、植物、そして環境を土の壁でつなぐ、峡谷のような建築をつくります。自然界の形から抽出した有機的な形態の壁を大型の3Dプリンターで各地域の土地からとれる土を出力し、外壁やランドスケープを構成します。それらを依り代として人々が集まり、自然との共生や循環について考え休息する、現代の人間の巣のような建築像と社会を提示します。

 これは誰が見ても「地層!」と思える。そして、ものづくりに関心のある人であれば「これが3Dプリンターの建築か!」と思う。そういう意味で新技術に関心を向けることに成功している。この仕上げは「土風」ではなく、原材料は本当の土だという。セメントは混ぜず、マグネシウム系の硬化剤を加えて強度を高めた。

 こういう壁だと本体が鉄筋コンクリート造に見えてしまうが、実は木造というのも現実的。地層の上の植物も会期半ばごろには青々とし、より地層感を増すだろう。ちなみに緑化には大林環境技術研究所(愛称:大林緑化)の大林武彦氏が協力している。