スペインのサッカークラブ「FCバルセロナ」のホームスタジアム「Spotifyカンプ・ノウ」が全面改修中だ。新スタジアムは国際設計コンペティションの結果、日本の日建設計と地元カタルーニャのパスカル・アウジオ・アルキテクテスのチームに決定。
2023年6月にバルセロナで始まった工事を、建築ネットマガジン「BUNGA NET」編集長の宮沢洋氏が現地からレポートする。(JBpress)
まずはこの3人の笑顔を見ていただきたい。左から野村映之・日建設計グローバルデザイングループアソシエイトアーキテクト、伊庭野大輔・日建設計グローバルデザイン部門GD設計部アソシエイトアーキテクト、大西吉人・日建設計グローバルデザイングループダイレクターアーキテクト。3人とも、2016年に日建設計とパスカル・アウジオ・アルキテクテス(スペイン)のチームで「Spotifyカンプ・ノウ」の再生コンペに当選したときからのメンバーだ。7年かかってようやくの本格始動となった。
背後で激しく解体されているのは、Spotifyカンプ・ノウの南側。工事は2023年6月から始まっていたが、こんなにわかりやすく壊し始めたのはごく最近のことのようで(撮影は7月4日)、バルセロナ市民が興味深そうに現場を眺めていた。
筆者(宮沢洋)は今、バルセロナでこれを書いている。『誰も知らない日建設計』(日本経済新聞出版、2021年)の著者でもあるので、当然、Spotifyカンプ・ノウ再生プロジェクトのことは知っていた。そもそも日経アーキテクチュア副編集長だった2016年3月、コンペ結果の記事は筆者が書いた。