旧ソ連諸国にとってロシアは「厄介な大国」
バルト三国ほどでなくても、ベラルーシなど一部を除き、旧ソ連の国はロシアに対して反発を持っていることが多い。
ロシアと戦争をしているウクライナが強い反ロシアであることは言うまでもない。ウクライナとルーマニアに挟まれたモルドバでは、親欧米派と親ロシア派の対立が激しい。
南オセチア・アブハジアといった2つの領土問題をロシアと抱えるジョージアも、反ロシア感情が比較的強い。トルコ系のイスラム教徒が多いアゼルバイジャンは、ロシアと一定の距離を保った外交をしてきている。
安全保障上ロシアとの関係が深い中央アジア諸国(カザフスタン、ウズベキスタンなど)においても、ロシアのウクライナ侵攻以降はロシアと距離を置く姿勢も目立ってきている。
ロシア帝国の拡張主義に加え、旧ソ連の社会主義政権下で長きにわたり弾圧されたことへの歴史は、旧ソ連諸国に複雑な政治情勢を作り上げている。旧ソ連諸国にとって、強権的で介入してくるロシアは「隣の厄介な大国」なのだ。
このようなロシアの強権と周辺国への介入主義はロシアのDNAとも言えるものだ。なぜそのようなDNAが生まれたのか。歴史からその根拠を見出すことができる。