2011年3月26日、ドバイワールドカップ2011、ヴィクトワールピサが優勝、日本調教馬として初の快挙 写真/AP/アフロ

(堀井 六郎:昭和歌謡研究家)

この4月、ドバイを舞台に日本馬が躍動

 この原稿を書き始める直前の4月6日に、アラブ首長国連邦のドバイ(メイダン競馬場)で行われたビッグレースに出走した日本馬の結果が入ってきました。すでにご存知の競馬ファンの方も多いかと思いますが、日本馬が出走した全7レースのうち、G1が続くなかの第7レース「ドバイターフ」(芝、1800メートル)でソウルラッシュ(牡、7歳)が勝利すると、第8レースの「ドバイシーマクラシック」(芝、2400メートル)ではダノンデサイル(牡、4歳)が優勝、騎乗した戸崎圭太騎手のおぼつかない英語での喜びの声が、満面の笑みとともに伝わってきました。

 最も注目されていたメインの第9レース「ドバイワールドカップ」(ダート、2000メートル)には世界ランク1位(4月6日現在)のフォーエバーヤング(牡、4歳。坂井瑠星騎乗)が登場。単勝馬券は1.1倍。日本中の競馬ファンの期待を背負っての出走でしたが、残念ながら、圧倒的一番人気に応えられず3着。勝利を半ば確信していた矢作芳人調教師は声を落としながら「またやり直します。申し訳ない」と詫びていました。

「競馬に絶対はない」からこそ飽くことなく楽しめるのですが、日本から熱い声援を送ったファンのみなさんにとって、それまで10戦8勝3着2回の成績を誇るフォーエバーヤングには「絶対」に近い存在であってほしかったでしょうね。

 フォーエバーヤングは2月の「サウジカップ」に次ぐアラブの地での連勝とはならず、1着賞金のビッグマネー獲得(696万米国ドル=約10億4000万円)は逃しましたが、それでも3着賞金を加算、生涯獲得賞金がおよそ23億8000万円となり、イクイノックスを抜き歴代2位となりました。

 歴代1位は2023年にこの「ドバイワールドカップ」を制覇したウシュバテソーロで、8歳になった今年もこのレースに出走、フォーエバーヤングとしのぎを削り6着に入っています。

 両馬の獲得賞金にはまだ約2億円の差がありますが、ウシュバテソーロはこのレースで引退が決まっているので、今後フォーエバーヤングに故障が発生しなければ日本歴代1位になる可能性は濃厚です。

 ちなみにこのレース、1、2着は出走11頭中の9番人気と8番人気の米国馬で、馬番単勝の馬券は約1500倍、100円の馬券が15万730円に化けるという大波乱の結末でした。