2021年11月28日、ジャパンカップ(G1)、引退レースで優勝したコントレイルと福永祐一騎手 写真/日刊現代/アフロ

(堀井 六郎:昭和歌謡研究家)

昭和歌謡研究家・堀井六郎氏はスポーツライターとしての顔もあります。とくに競馬は1970年から今日まで、名馬の名勝負を見つめ続けてきました。堀井氏が語る名馬伝説の連載です。

無敗の三冠馬から誕生した無敗の三冠馬

 昨年、調教師に転身した中央競馬栗東所属の福永祐一が、コントレイルで三冠を制したのは、今から4年前の2020年でした。無敗での三冠達成は2005年のディープインパクト以来3頭目になり、そのディープインパクトの子がコントレイルになります。

 コントレイルとは「飛行機雲」という意味で「天馬」を想像させますが、無敗の三冠馬の子による無敗の三冠馬の誕生は、ファンとしては「この時代に生きていてよかった!」と実感させてくれたものです。

 惜しむらくはこの年は新型コロナ禍の影響で、皐月賞・ダービーとも無観客の中で行なわれ、菊花賞で三冠達成の偉業を成した京都競馬場では1000人足らずの観客から祝福を受けるにとどまりました。三冠達成自体がオルフェーブル以来9年ぶりという快挙だっただけに残念でしたね。

 なお、無敗で三冠を達成したディープインパクト、コントレイル、そしてシンボリルドルフの三頭は、私がリアルタイムで見た「満3歳時における最強馬ベスト5」に入ります。ちなみに、ベスト5の残りの2頭とは、マルゼンスキーとエルコンドルパサーです(どちらも米国産馬だったため、当時はクラシックレースに出られませんでした)。