2024年7月29日、パリ五輪、馬術、総合障害馬術で、日本が銅メダルを獲得。写真は大岩義明選手とMGHグラフトンストリート 写真/AP/アフロ

(堀井 六郎:昭和歌謡研究家)

●パリ五輪・馬術団体、「初老ジャパン」銅メダルへの道のり・前編

サラブレッドと中間種(ちゅうかんしゅ)

 今回、銅メダルを獲得した4人衆は、メンバー全員が昭和生まれです。こういうチームが五輪に出場しているのを知ると、うれしくなります。

 リザーブメンバーを含めて4人の合計年齢166歳、チームの平均年齢41.5歳。彼ら自身が「初老ジャパン」と揶揄していますが、筆者が高齢に達したせいでしょうか、こうした苦節何年のメダリストに対しては、十代メダリストとは一味違う親近感があります。「それまでの人生」「競技者としての足跡」が彼らの顔から何とはなく漂ってくるせいでしょうか。

 もちろん、愛馬たちにもご褒美をあげたい気持ちはやまやまですが、ここはメダルよりねぎらいの気持ちと新鮮なニンジンでしょう。

 なお、競馬ではおなじみのサラブレッドですが、この競技にサラブレッドが出てくることは稀で、過去にメダルを獲得したこともありません。

 出場する馬のほとんどが「中間種」といわれる農業用の馬にサラブレッドや別の品種を交配したことから始まる種類の馬だそうです。

 サラブレッドほどスピードがなくても、サラブレッドより筋肉が発達して持久力やジャンプ力に優れているうえ、従順な性格で調教しやすいという大きな利点があります。