AI時代に最も活躍できる人材像

木寺:大変興味深いご提案です。

 また次のテーマとして、「AI時代に求められる人材像」についてもうかがいたいと思います。

 AIが労働市場に与える影響が大きくなる中で、どのような人材が社会で活躍できるでしょうか。

平井:AIが普及すると、「AIにできる仕事」と「人間にしかできない仕事」が明確に分かれてきます。

 今後ますます重視されるのは、創造力やコミュニケーション能力、問題発見力、倫理的思考力など、AIが苦手とする分野です。

 また、AIを活用して社会課題を解決する「AI+α」の人材も求められます。

 例えばAI+医療、AI+福祉、AI+教育といった、異分野を横断的に融合できる人材が求められています。

木寺:横断的なスキルセットを持つ人材ですね。

 日本では教育や就職システムが縦割り的で、横断的な能力が育ちにくいと言われていますが、この問題にはどのように対応すべきでしょうか。

平井:キャリア教育の改革が不可欠です。

 例えば、大学では文理融合型の学部を増やし、横断的なカリキュラムを整備すること。

 また、企業側もジョブ型雇用を進めることで、多様な経験を持つ人材が評価されやすい環境を作る必要があります。