「いかにもジープ」ではない乗り心地が人気

 乗り心地も外観から想像するようがゴツゴツしたものではない。現行モデルは2018年にフルモデルチェンジした4代目だが、3代目までは「いかにもジープ」というオフロードカーという乗り心地だったことを思い出すと、4代目はかなりSUVライクな仕上がりだと言える。

 ただし、「SUVの乗り味に近づき過ぎていない」ところが、長年ジープを乗り継いできた人、またジープを初めて購入した人の心を掴んでいる理由だと思う。

 こうした唯一無二の存在感によって、ユーザーはジープに対してアメ車であることを意識せず、端的に「ジープがほしい」というストレートな気持ちで接しているのだと思う。

「ラングラー ルビコン 4xe」の車内。ルーフトップは着脱式(写真:筆者撮影)

 時計の針を少し戻すと、筆者は1980年代からのアメリカ生活の中で、メディア向け試乗会や友人から借りるなどして各種ジープを様々な機会に試乗してきた。

 例えば2000年代、当時のクライスラー本社関連イベントで、ジープブランドの刷新を目指したコンセプトモデル各種を走らせるという貴重な体験もした。

 リーマンショックを経て、事業が再生された後でも、ジープ固有の商品性は変わらなかった。

 そして、新生ステランティスの一員となったジープの商品は、「乗りやすさ・扱いやすさ」を追求するも、普通のSUVでは味わえない「大胆さ」を強調するようになった。

 さらに近年では、メーカーが販売店と協力してユーザーを交えてジープ・コミュニティを形成したことが、ジープブランドの成功につながっている大きな理由でもある。

 日本でも今後、ジープコミュニティが拡大することが予想される。

 次に、別の視点で気になるアメ車がある。ゼネラルモーターズ(GM)「キャデラック」だ。