人口と経済規模を考えるとウクライナの劣勢は変わらない
カンシアン氏によると、欧州防衛産業によるウクライナ支援はすでに限界に達している。ウクライナは自国の防衛産業基盤から装備の一部を調達。ドローン生産は22年以来、100倍以上に増えた。しかしウクライナ軍が必要とする武器弾薬の一部に過ぎない。
「戦況は膠着しているが主導権はロシア側が握る。ウクライナ東部戦線は押し込まれているものの崩壊していない。露西部クルスク州の飛び地も維持している。昨年ロシアは前年の7倍の約4000平方キロメートルを占領したが、42万人以上の死傷者を出した」(カンシアン氏)
ロシア軍の損失は今年半ばまでに100万人を超えるペースだ。兵員の穴を埋めるには国民に不人気な動員をかけなければならないが、プーチンには大きな困難を伴う。しかし、それでもロシアの人口と経済規模を考えるとウクライナの劣勢は変わらない。
ウクライナの英語版オンラインメディア「キーウ・インディペンデント」のコーレン・ポスト記者は2月20日付記事で「外国製兵器がなければ生き残れない。低品質な国内弾薬の生産だけでは戦争遂行に大きな支障を来たす」というウクライナの現場兵士の不安を伝えている。