重過料を課せられ、没落へ
『三国通覧図説』は、日本と隣接する朝鮮・琉球・蝦夷、付近の島々の地図と、挿絵入りでの解説書で構成されている。
林子平は海防書『海国兵談』を自費で出版し、海防の必要性を説いたが、寛政4年(1792)、幕府により処罰されてしまう。
これに関連して、『三国通覧図説』も絶版となり、須原屋市兵衛も重過料を課せられた。
金額は不明だが、須原屋市兵衛は大打撃を受けたとみられている(今田洋三『江戸の本屋さん』)。
その後、苦境から脱することは叶わないまま、文化8年(1811)に没している。
菩提寺は、江戸浅草の善竜寺だという。