これから主流になる「GAIO」とは
さて、皆さんが炊飯器メーカーの社員で、新製品のマーケティングを担当しているとしたら、どう感じるだろうか。SEO対策や製品まとめサイトへの売り込みだけでなく、AIを使って情報を得ている消費者への対策も必要だ、という印象を持つのではないだろうか。
もちろん、生成AIが登場・普及したのはここ数年のことであり、さらに生成AIのウェブ検索機能という点では、ChatGPTにベータ版として実装されたのは2023年5月のこと。「ウェブ上の情報を調べるときは検索エンジンではなく生成AIを使う」という消費者は、まだ少数派と言える。とはいえ、これからそうした人々が増えるのは火を見るよりも明らかだ。
また、ボストンコンサルティンググループの調査によれば、米国で実施されたアンケートではあるものの、回答者の28% が「化粧品などの商品の個人的なレコメンデーションにAI を利用している」との結果が出ている。
こうした状況からいま、「SEOに代わり、AIによる検索を念頭においた対策が必要ではないか」という声が出始めている。そして、検索エンジン向けの対策を「検索エンジン最適化(SEO)」と呼ぶのであれば、消費者に代わって情報を調べるAIや生成AI向けの対策は「AI最適化(AIO)」あるいは「生成AI(GenAI)最適化(GAIO)」と呼ぶことができるだろう。
実際に経済誌フォーブスは、早くも2024年7月15日に、「GAIO:次世代のSEO」というタイトルの記事を発表している。
その筆者で、マーケティング専門家のノア・エシェドは、GAIOを「生成AIの検索クエリに表示されるようにコンテンツを最適化するプロセス」と定義し、「あなたが提供するコンテンツはAIモデルが情報源とするのに適切な方法で表され、理解可能である必要がある」と指摘。その上で「文脈を重視する」「コンテンツを常に最新の状態に保つ」「自然言語に最適化する」という3つのステップを紹介している。