
アメリカの一大イベントとして知られるスーパーボウル。800万ドルに上るテレビ中継のCM枠など、経済・文化の両面で巨大なイベントだ。ただ、今回のスーパーボウルでは、GoogleがAI広告で赤っ恥をかくという問題が起きた。何が起きたのだろうか。(小林 啓倫:経営コンサルタント)
「AIスーパーボウル」と称された今年のスーパーボウル
去る2月10日月曜日(日本時間)、米ルイジアナ州ニューオーリンズで第59回のスーパーボウルが開催された。
ご存知の方も多いと思うが、スーパーボウルは米国において、最大規模の人気を誇るイベントだ。報道によれば、2024年のスーパーボウルでは、全米視聴者数が史上最高の推計1億2370万人に到達。これは1969年の月面着陸放送に次ぐ規模だったという。
さらに、テレビ中継における30秒CM枠の額は、最大で800万ドルに上るなど、経済・文化の両面で巨大なイベントであることが裏付けられている。
このCM枠だが、高額かつ膨大な人々に視聴されるものであるだけに、どのような企業が、どのような内容の広告を出すかという点で世相を反映するものとなっている。
では、今年のスーパーボウルのCMにはどのような特徴が見られたのか──。そう、AI企業のCMやAIに焦点を当てたCMが多かったのである。実際にForbes誌は、2025年のスーパーボウルCMが「AIスーパーボウル」と称されたと報じている。