自転車の「ながらスマホ」は厳しく取り締まられるようになる(写真:MAHATHIR MOHD YASIN/Shutterstock.com)
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自転車に乗って交通違反をした人に「青切符」が出される――。改正道路交通法の施行によって、自転車の違反運転に反則金を科す制度が2026年4月から始まります。例えば、走行中に携帯電話を使用する「ながらスマホ」の場合、反則金は1万2000円。決して安くはありません。近年、「危ない自転車」に対する規制はどんどん厳しくなってきました。その流れも追いながら、自転車への青切符についてやさしく解説します。

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そもそも「青切符」とは

 自動車を運転するドライバーでない限り、そもそも交通違反を犯した場合に交付される赤と青の「切符」には馴染みがないかもしれません。

「赤切符」とは、酒酔い運転や無免許運転、時速30km以上の速度超過など、重大な交通違反を犯したドライバーに交付される書面のこと。正式には「道路交通法違反事件迅速処理のための共用書式」という名称です。赤切符が出されたケースは刑事手続きの対象となり、刑事裁判で違反が認定されると、罰金などが科せられます。これは刑事罰ですから、本人には「前科」が付きます。

 一方、「青切符」とは、どのような制度でしょうか。

 これは、軽い交通違反をしたとき「交通反則通告制度」に則って警察官から交付される書面のことで、青切符の正式名称は「交通反則告知書」と言います。対象になるのは、刑事事件として扱うほどではない軽微な交通違反。例えば、一時不停止や信号無視、時速30Km未満の速度超過などの違反を行った場合に対象となります。

 違反を犯した人にはこの青切符と「反則金納付書」が渡されます。その後、本人が所定の反則金を納付すれば、違反の処理はその時点で終了。刑事罰に問われることはありません。「前科」も付きません。

 警察官から違反を指摘された際、その内容に不服があれば、反則金を支払わず、不服申し立てを行うことも可能ですが、最終的に刑事裁判で事実関係を争い、違反の事実が裁判所で確定すると、本人は罰金などの刑事罰を受けることになります。その場合、本人には「前科」が付きます。

 ただし、青切符を不服として反則金の納付を拒む人はほとんどいません。警察庁のデータによると、2023年度の反則金対象件数は431万件強で、納付率は96.5%に達しています。仮に納付額が1件1万円だったとすれば、総額は4300億円程度になっているものと推測されます。

 交通反則通告制度は、本人や警察、検察、裁判所の負担軽減を目的として1968年から全国一斉に始まりました。反則金は国庫に収められ、信号機や道路標識の整備など交通安全の目的に使用されます。「違反の事実を見逃すことはできないが、迅速な処理を行い、交通秩序の確立と交通安全の向上を図る」という青切符の趣旨はすっかり定着していると言っていいでしょう。

 そこに、2026年4月から「自転車」が加わるのです。