石破首相「上告しないと決断」
大阪高裁の判決から1週間ほどが過ぎた2月6日、石破茂首相は首相官邸で記者団に対し、「赤木俊夫さんが(改ざんを苦に)自ら命を絶たれたことは本当に重く受け止めなければいけない。赤木さんやご遺族の気持ちを考えた時に、この判決は真摯に受け止めるべきだと考え、上告しないと決断した」と語りました。
財務省が検察に提出していた文書はすでに返却され、財務省が保管していることがわかっています。今後、財務省は「存否応答拒否」という姿勢を捨て、これらの公文書のどこをどう開示するかの判断を迫られます。場合によっては、「黒塗り」の公文書ばかりが開示される可能性も残されています。
それにしても、問題発覚から8年もの年月はさすがに長過ぎかもしれません。当時、公文書改ざんをめぐっては「官僚が安倍首相に忖度したのではないか」との見方が広がり、「忖度」は2017年の「新語・流行語大賞」にも選ばれました。しかし、本当に忖度だったのか、もっと上からもっと明示的な指示があったのか、などは依然として解明されないままなのです。
フロントラインプレス
「誰も知らない世界を 誰もが知る世界に」を掲げる取材記者グループ(代表=高田昌幸・東京都市大学メディア情報学部教授)。2019年に合同会社を設立し、正式に発足。調査報道や手触り感のあるルポを軸に、新しいかたちでニュースを世に送り出す。取材記者や写真家、研究者ら約30人が参加。調査報道については主に「スローニュース」で、ルポや深掘り記事は主に「Yahoo!ニュース オリジナル特集」で発表。その他、東洋経済オンラインなど国内主要メディアでも記事を発表している。