「第2波」で価格が高騰している品目
<「第1波」と「第2波」の違い>
「第1波」では、食料の主要項目の価格は全般に上昇したが、特に上昇幅(あるいは全体の上昇に対する寄与)が大きかったのは、「魚介類」「肉類」「乳卵類」「調理食品」「外食」だ。
さらなる内訳である品目別動向をみると、「乳卵類」では牛乳、乳製品、鶏卵の価格が大きく上昇し、「調理食品」では唐揚げ、寿司弁当、焼き魚、「外食」ではハンバーガー店、焼肉店、豚カツ店、寿司店などで価格上昇が目立った。
すなわち、「第1波」では、畜産物や魚介類、それら肉や魚などを原材料とする加工食品や外食を中心に価格が上昇したと言える。
畜産物、魚介類ともに、ウクライナ危機後の輸入コスト上昇の影響が大きいだろう。
畜産物については、円安で輸入品が高騰したほか、国産品についてもトウモロコシや大麦、小麦などの飼料価格高騰が転嫁されて価格上昇につながった。うち、鶏卵については鳥インフルエンザによる供給減も重なった。
魚介類でも、輸入品が円安で高騰したことに加えて、漁船の燃料油高騰で国産品でも価格転嫁の動きが広がった。操業見送りで水揚げ量が縮小した影響も重なっている。品目別では鮭の価格上昇が特に大きく、ノルウェー産の輸入品の空輸に制約がかかった影響も生じた。
「第2波」でも、主要項目の価格が全般に上昇している。
基本的には、輸入コスト高騰に伴う生産費や物流費、さらには人件費を転嫁する動きも継続しているとみられる。ただ、特に上昇幅が大きいのは、「穀類」と「野菜・海藻」「果物」だ。コメや野菜など、国産がメインの農林水産物において供給不足やコスト転嫁が生じ、価格高騰をもたらしている。