「寛大な処置」が有効である理由
さて、それはそれとして、結論として郷原さんと上脇先生の「寛大な処置」に私が同意するのは、徹底した自白による事態の完全解明と、それに基づく再発防止に有効であるからにほかなりません。
特段、大学や専門機関で情報科学を学ばずとも、簡単に模倣できるノウハウを濫用すれば100万票単位の浮遊票を左右できるメディア・マインドコントロールは、ネット上民主主義に開いた落とし穴、セキュリティ・ホールそのものです。
是は是、非は非として、再発防止のために、しっかり判例を積み重ねておくことは必要です。
そのシロクロがいい加減なために、今現在発生している最悪な事例を一つ挙げておきます。
1月24日、兵庫県市長会の会長である丹波篠山市の酒井隆明市長は、1月18日に亡くなった竹内英明・前兵庫県議(享年50)に対する、ネットワーク上での誹謗中傷に関して、「中傷の実態を調査する」よう、斎藤元彦「知事」に申し入れをしました。
これに対して斎藤元彦「知事」は「県が調査する立場にあるかは慎重に考えないといけない」と記者に対して語ってしまいました。
こういうことは、まともな霞が関官僚では起きない事態と言わねばなりません。
いま兵庫県議がネット上の誹謗中傷で命を落とすという、ありうべからざる事態が発生しているわけですが、これを裁く「法制度」が整備されていますか?
いません。
だから、検察も警察も動くための十分な法源があるか定かでありません。
いまだ訴訟などが起きているわけでもないので「司法」つまり裁判所が調査する対象でも、ない。
立法府、つまり国会や国会議員が調べる案件かと考えれば、事態は「県議」がネット上のハラスメントで死に追いやられているわけで、これも違う。
司法でも立法でもなければ、行政の持ち分になります。